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夜は短し歩けよ乙女【感想・あらすじ】奇想天外な恋愛ファンタジー小説

奇想天外なストーリーとインパクト大の登場人物が繰り広げる恋愛ファンタジー小説。山本周五郎賞受賞、本屋大賞2位の傑作です。

目次

あらすじ(内容紹介)

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する“偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり。そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちと珍事件の数々だった。山本周五郎賞を受賞し、本屋大賞2位にも選ばれた、キュートでポップな恋愛ファンタジーの傑作。 (アマゾンより引用)

古風な言い回しが独特の世界観をつくる

舞台は京都。時代背景は歯科衛生士という職業の登場人物も出てくるし、コンビニに行く描写もあるので恐らく現代に限りなく近いと思うのですが、古風な言い回しで物語が進んでいくので大正時代辺りの話ではないかと錯覚してしまいます。

まずこの独特の古風な文体が本書の大きな特徴と言えるでしょう。

余談ですが本書の題名は『ゴンドラの唄』という大正時代に流行った曲の冒頭に出てくる歌詞「命短し恋せよ乙女」にちなんだもののようです。

大正時代の名曲がタイトルのモチーフになってるところも著者が「古風な世界観」にした一つの理由かもしれません。

奥手男子と天然女子のカラ回りをユーモラスに描く

良い風に言えば純情、硬派。悪く言えばヘタレ・・・。

本書の主人公ともいえる「先輩」。

名前は物語中に出てきません。

もう一人の主人公は素直で天真爛漫で好奇心旺盛な美女。

・・・世間知らずで天然とも言えます。物語中では「黒髪の乙女」と呼ばれます。

本書はこの二人が交互に語り手として物語を進めていきます。

奥手な「先輩」が何とか「黒髪の乙女」の気を引こうと色々、策を練る・・・。

この二人のやり取りが全く噛み合わない様子をユーモアたっぷりに描いたストーリーが本書の骨子となってます。

物語を彩る強烈な登場人物

兎に角、奇妙で個性があり過ぎるキャラがいっぱい登場します。

自称天狗の「樋口さん」、大酒飲みの美女「羽貫さん」、3階建ての電車に住む高利貸「李白」、スケベおやじ「東堂さん」、その他「偏屈王」、「パンツ総番長」、「象の尻の女学生」「古本市の神様」「学園祭事務局長」・・・。

こんな奇妙な登場人物が現実とも幻想ともつかない本書の世界観に彩りを加え、恋愛物語を恋愛ファンタジーに昇華させる一因となってます。

ちなみに「樋口さん」と「羽貫さん」は本著者の他作品『四畳半神話大系』に登場するキャラのようです。こういった関連作品があると読みたくなりますね。

まとめ

ただ単純に楽しめる・・・そんな作品だと思います。

独特の古風な文体からくる世界観は今までに読んだことのない新鮮な印象を受け、なんだか演劇を観ているかのように楽しく読み進めることができました。

ただ文体と言い、ストーリーと言い、登場人物と言い、非常にクセのある「奇をてらった」感の漂う作品でもあるので好き嫌いが別れるかもしれませんね。

 アマゾンで何ページか試読できるので気になる方は確認してみると良いと思います。

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