昭和の香り漂う、近未来エンタテイメント小説【ビビビ・ビ・バップ】

エリック・ドルフィー、チャーリー・パーカー、立川談志・・・。

「近未来の世界」と「昭和の東京」を舞台に希代のエンターテイナー達がアンドロイドとして蘇る!

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 あらすじ(内容紹介)

人類を救うのはアンドロイドの子猫!?女性ジャズピアニストが世界的ロボット研究者から受けた奇妙な依頼。それが人類の運命をゆるがす事件の始まりだった。AI技術による人間観の変容を通奏低音に、稀代の語り手が軽やかに壮大に奏でる近未来エンタテインメント小説! (アマゾンより引用)

 近未来と昭和が交差する世界感

時代背景はもうすぐ22世紀に差しかかる頃。まさに近未来の世界です。

AI技術が発達しており、朝はAIのムーミンに起こしてもらい、道案内までしてくれる。無人自動車で移動しつつ、窓を覗くが実際のものではなく、窓から風景まで全てが仮想(バーチャル)。

医療も進歩し、寿命が100歳を超えることも珍しくなく、70歳くらいならまだまだ若々しくいられる感じです。

ただし、貧富については2極化され、上記みたいに夢のような!?生活ができるのは裕福層のみで貧困層はそれこそ現代と変わらないような生活・・・。

「架空墓場」もそんなAI時代の産物。物語はジャズピアニストの主人公が日ごろ、世話になっている世界的なロボット研究者から自身の「架空墓場」の音響を依頼されるところから始まります。

「架空墓場」とは架空(バーチャル)の世界に墓参者が分身(アバター)を使って「故人」に直接、会ったり、話たりできる場所。勿論、故人も架空(バーチャル)ですが。

世界的ロボット研究者の山萩は130歳。死ぬ前に墓を作っておこうってことだと思うのですが、この山萩の「架空墓場」の世界感がまさに「昭和の東京」なのです。

「昭和の東京」が本書のもう一つの舞台。

山萩という男、青春時代はJAZZと落語にハマった世代だと察します。そこには老舗ライブハウス「新宿ピットイン」や寄席「新宿末廣亭」なども登場します。

私は落語にはあまり詳しくなく「新宿末廣亭」は行ったことありませんが、老舗ライブハウス「新宿ピットイン」は今でも実在するライブハウスで何度か足を運んだことがあります。

こういう場所が物語に出てくると親近感がわきますね。

めまぐるしく進むストーリーの中、交差する「近未来」と「昭和」の世界観。

これが本書の魅力の一つだと思います。

近未来の女性強し!?

主人公の女性ジャズピアニスト「フォギー」、天才工学少女「王花琳」、将棋士「芯城」、前述している天才研究者「山萩」。そしてアンドロイド達。

この辺りの登場人物が中心となって物語が進んでいくのですが女性とアンドロイド中心の世界ですね。

どうも男性陣は便利な世の中に毒され、現代より草食化が進んでいるように描かれ、頼りない感じがでてます(^^;)

この縮図は将来の日本を物語っているかもしれません・・・。

JAZZと落語ファンは特に必見!

JAZZと落語が本書にとって大きなテーマになっていることは言うまでもないでしょう。フォギーがアンドロイドの立川談志の落語を見て、アルトサックス奏者のリー・コニッツのアドリブに譬えるところ等はJAZZファンの私は思わずニンマリしてしまいます。

私は落語にはあまり詳しくないのですが、JAZZと落語というのは共通する部分があるのでしょうか。タイミングが良いことに書店で下記の雑誌が並んでました。

magazineworld.jp

「popeye」でジャズと落語を特集しているようですね。

ジャズは「名曲より名演」と良く言います。何の曲を演奏するかより、どんな風に演奏するかが見所。その辺が噺家によって個性がでる古典落語と通ずるところがあるのかもしれませんね。

本屋での出会い

私は最近、専らkindleを利用することが多く、めっきり電子書籍派になってしまいましたが夏季休暇中に渋谷に行く用事があったので青山ブックセンターに立ち寄ってみました。Twitterの情報で「100人がこの夏おすすめする一冊 2016」というブックフェアをやっているとのことでしたので。 

 

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www.aoyamabc.jp

 

流石に万人受けしそうなのは少ないな~と思いながら見つつ、私の目に止まったのがこの本でした。

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タイトルといい、表紙のイラストといい、また主人公もジャズピアニストでエンタテイメント小説・・・。私の趣味・嗜好のどストライクであります。

なのにAmazonではこの本は見つけられなかったな~。

以前にブログで紹介した「弱いつながり」ではないですがネット上で全てを完結するのでなく、今回のようにたまには本屋に立ち寄り、ブラブラするのも新しい発見があって良いなと思いました。

「検索ワード」のカギはリアルに有り!【弱いつながり】

 まとめ

650頁を超える、分厚い本で読了するのに1週間くらいはかかるかと思ってましたが3日程度で読み終えることができました(夏季休暇中というのも大きかったですが)

正直、最初はちょっと怠くて「まだこんなにページが残ってるのか・・・」って感じがあったのですが中盤あたりからどんどん引き込まれ、最後の方は残り少ないページ数に切なさすら覚えました。

まさに長編エンターテインメント小説。JAZZや落語好きでなくても昭和に活躍した色んな有名人!?も登場しますので私くらいの年代の方なら楽しめると思います。

若い方にも古き良き昭和の時代を知っていただくためにも是非、おススメします。

 

 

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