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KAZULOG

趣味と共に成長するブログ

弱くても勝てます【感想・あらすじ】下手でもなぜ勝てるのか!?

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東大合格率日本一、開成高校の野球部のセオリーとは・・・。

 

少ない練習量の中「勝ちにこだわる」監督の戦略と下手を自覚しながらも真剣に野球に取り組む選手たちの傑作ノンフィクションです!

あらすじ(内容紹介)

甲子園も夢じゃない!? 平成17年夏、東大合格者数日本一で有名な開成高校の野球部が甲子園大会東東京予選ベスト16に勝ち進んだ。グラウンド練習は週一日、トンネルでも空振りでもかまわない、勝負にこだわりドサクサに紛れて勝つ……。監督の独創的なセオリーと、下手を自覚しながら生真面目に野球に取り組む選手たちの日々。思わず爆笑、読んで納得の傑作ノンフィクション! (アマゾンより引用)

勝つために必要なことを集中的に・・・

開成高校は言わずと知れた進学校。その野球部が以外に!?強いらしい。そんな切り口から著書の取材形式で本書は始まります。

 

  • 基礎すらできていない部員もいる
  • グランドは週に1回しか使えない
  • 雨が降れば次の週に繰り越しになる
  • 試験の前後は部活中止になる(一カ月前後)

 

こんな状況のなか監督の方針は「勝つために必要なことを徹底的にやる」こと。

逆に言えば不要なことを切り捨てる・・・。この辺りの選択がとても大胆です。

また「勝つ」だけでなく「勝ち方」にこだわるというのも重要なポイントと感じました。開成高校の目指すところは強豪校に勝つこと。

 

そうなると普通のレベルの高校に「何となく勝った」戦い方では到底、強豪校には敵いません。

こじんまりして勝つようなら大胆に攻めて負けた方が次に繋がる・・・。こんな考え方です。

 

ただ本書は短時間でも抜群に効果のある練習法や胸のすくような戦略を紹介している本ではありません。

あらすじにもありますが「ドサクサに紛れて勝つ……。」そのために必要十分な練習をしようといったところで戦略も進学校ならではの緻密なものと思いきやシンプルでとても潔ぎよいものです。

 

奇を衒ってる部分もあり「弱者が強者に勝つ」という戦略的なところを参考にしたいと思って読んだ方はちょっと肩透かしを喰らうかもしれません(^^;)

 

個性的なエリート部員たち

エリートといっても「野球のエリート」ではありません。「日本の将来を担うエリート」ですね。東大合格率1位の高校に通う若者達ですから、なんか鼻もちならない感じなのでは!?と勝手な印象を持っておりましたがとんでもない誤解でした。

 

「野球」にスポットを当てての取材だからかも知れませんが、どちらかというと謙虚で自信なさげな部員が多いなという印象です。また部員全員に言えることは「理論的に考える傾向にある」ということ。なので体育会系特有の単純明快な気合の入れ方では効果がなく、監督がその辺りを留意しているのがよく伝わりました。

 

本書では各選手の「人となり」がわかるような取材に大きく頁を割いてます。ちょっと著者と上手くかみ合っていない部分や面白おかしく書かれているきらいもありますが開成高校野球部の雰囲気が伝わる夫々のエピソードは興味深いものです。

まとめ

 高校野球は神聖というイメージがあります。私の年代ですと星稜高校時代の松井秀喜選手が全打席敬遠された際には物議を醸しました。

 

そんな中、いくら「弱者が強者に勝つ」ためと言ってもドサクサに紛れて勝つ戦法はいかがなものかと・・・。

負けてたとしても奇を衒わずに正々堂々と勝負した方が良いのでは・・・。

読み進めるうちはこんなことも頭によぎり、監督に共感できない部分もありましたが、最後まで読むと納得。

 

監督は「何が何でも勝つ」という方針というより部員に足りない要素を「勝ち」にこだわらすことで上手く引き出しているのではないかと感じました。

 

最後に地区予選に応援にきた開成高校OBの話。

たとえ負けても、挫折感は大事です。今は開成に入っただけでも達成感があるみたいですものね。それに東大に行けば他の人間より上だという意識がどうしたってありますから、実はサラリーマンに向いていないんです。でも野球は学校名ではなくグラウンドがすべて。そこでの挫折感は絶対生きてくると思います。 (本文より抜粋)

彼らは学歴でいえば間違いなく強者。しかし野球の世界では「弱者の視点」にたち、いかに克服するかを真剣に考え、もがき苦しみ、時には挫折を経験する・・・。

 

こんな経験こそが彼らが将来、社会に巣立った時に生きてくるのだろうな・・・。

そう思うと素朴な彼らがなんか頼もしく見えてきました。