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KAZULOG

趣味と共に成長するブログ

おとなの教養【感想・あらすじ】池上彰著書

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フリージャーナリスト池上彰氏の講演を書籍化。

 

「おとな」と銘打ってますが難しい内容ではなく中高生でも十分理解できる内容で、池上流「教養」について講義形式で大変わかりやすく学べる1冊です。

あらすじ(内容紹介)

現代の教養とは「自分を知ること」です。 あなたがいま、身につけるべき教養とは何か? 「宗教」「宇宙」「人類の旅路」「人間と病気」「経済学」「歴史」「日本と日本人」。この7科を貫くのは、「自分がどういう存在なのか」を考えようとする問題意識。7科目のエッセンスを講義形式で明快に説く。将来かならず生きてくる「教養の本質」が一気に身につく! (アマゾンより引用)

専門性の犠牲となった教養とリベラルアーツ

教育の自由化

もともと大学は結構、細かい設置基準、例えば「敷地面積」や「教授の人数」「図書館の蔵書数」など。どの学部でどんな勉強をしなければいけないかも細かく決まっていました。

 

それが1991年、当時の文部省が教育の自由化を掲げ「大学設置基準の大綱化」という方針を打ち出しました。

要は今までの細かい基準が緩くなったのです。

淘汰される一般教養

以前は大学にも「一般教養」という科目があったらしいです。(今でも一部の大学では残っているとのこと)

 

しかし、大学まで進学する生徒は「早く専門性の高いスキルを学びたい」という気持ちが強く、一般教養は不人気だったようです。

また企業側にも「専門性の高い即戦力」が欲しいというニーズがありました。

 

こういった状況と前述した「大学設置基準の大綱化」の方針から大学からどんどん「教養部」がなくなってきたとのことです。

教養が見直されたきっかけ

私と同年代の30~40代の方は覚えていると思いますが地下鉄サリン事件

 

この事件に使われた猛毒を生成したのは当時、オウムに入信していたエリート大学出の方たちです。池上氏曰く「宗教」も教養の内。こういった基本的な知識が欠けると、たとえエリートと呼ばれる人たちでも付け入る隙を与えてしまうとのこと。

 

ですので専門性ばかりに目を捕らわれず、人としても幅を広げる「教養」が見直された訳ですね。

教養の基盤となるリベラルアーツとは

リベラルアーツとはギリシャ・ローマ時代に源流を持ち、ヨーロッパの大学では「学問の基本」と見なされる7科目です。

 

本書のメインテーマであり、池上氏は「リベラルアーツ=教養」として解説していきます。

 

海外の有名大学、例えばハーバード大学ではリベラルアーツは基本教育となっているとのこと。まずはリベラルアーツ教育を受けた後で医者になりたければメディカルスクール、弁護士になりたければロースクールって感じです。

 

マサチューセッツ工科大学はピアノの授業がとても充実しているらしく、理由を尋ねると・・・

マサチューセッツ工科大学は、科学技術の最先端の研究をしています。当然、学生にも最先端のことを教えるのですが、最先端の科学をいくら教えても、世の中に出ていくと、世の中の進歩は速いものだから、だいたい4年で陳腐化してしまう。そうするとまた学び直さなければいけない。そんな4年で古くなるようなものを大学で教えてもしょうがない。そうでなく、社会に出て新しいものが出てきても、それを吸収し、あるいは自ら新しいものをつくり出していく、そういうスキルを大学では教えるべきでしょう。 (本書より抜粋)

 

すぐに役に立つことは、世の中に出て、すぐ役立たなくなる。すぐには役立たないことが、実は長い目で見ると役に立つ・・・

 

海外の有名大学ではこのような考え方を持ち、それが「教養」であり、マサチューセッツ工科大学では音楽が教養の一つと考えらている訳ですね。

池上流リベラルアーツ「現代の自由7科目」

  1. 宗教
  2. 宇宙
  3. 人類の旅路
  4. 人間と病気
  5. 経済学
  6. 歴史
  7. 日本と日本人

池上氏は「現代の教養とは何を学べば良いのか」を考えたところ「自分自身を知る」ここと主題に沿え、上記を「現代の自由7科目」定義されました。

本書ではこの7科目の基礎的なこと、礎となるような必須項目を中心に解説されています。

 

私見では本書での7科目の解説は、全て「歴史」で括れるような気がします。

「宗教の歴史」「宇宙の歴史」「人類の歴史」・・・のような感じ。

頁数(講義では時間)が限られているなかでは各科目の「専門的」なことまでは触れれないとの判断とのことでしょう。

 

また各科目のルーツとなる話をすることによって「興味を持つきっかけ」になるのではという狙いもあったと思います。

 

最初は「宗教」というとなんか仰々しい感じもしましたが、大変わかりやすかったですし「経済」に関しては、ぼやっとわかった気になっていたものがスッキリしました。

 

各分野のスペシャリストが求めらるこのご時世ですが、人生の基盤となるようような科目を幅広く学ぶということも大切なことだと改めて気づかされました。

 

まとめ

 「教養のある人」ってなんか人間性に深みがあって良いな~。なんて軽い気持ちで本書を手に取りました。

 

すぐに役に立つことは、世の中に出て、すぐ役立たなくなる。すぐには役立たないことが、実は長い目で見ると役に立つ・・・

 

この言葉が大変、印象的で私が以前、読んだ「エッセンシャル思考」の本と併せると色々考えさせれます。

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エッセンシャル思考というのは「本当に大切なこと」のためだけに時間を費やし後は切り捨てる・・・。勿論、単純な合理化の本ではありません。然るべき成熟されたビジネスパーソンが読むには大変良い本だと思いますし、私も共感できる部分も多かったです。

 

ただ本書のような「教養」が抜け落ちてしまうと「本当に大切なこと」の本質を見誤ってしまう懸念があるなと・・・。

 

すぐに役に立つことは、世の中に出て、すぐ役立たなくなる。すぐには役立たないことが、実は長い目で見ると役に立つ・・・

 

このような視点を持っていれば「本当に大切なこと」の選定も洗練されるのではと感じました。

 

ビジネス書の活用方法について一つの本を読みこんで愚直に実践するのも悪いとは言いません。

色んな本を読み、共感した部分を組み合わせ、自分なりに少しずつ人生に落とし込んでいく・・・。それも醍醐味かなと思う今日この頃です。