「枕草子」で有名な清少納言を取り上げたコミックエッセイです。かなりかみ砕いた内容ですがちゃんと監修もついて古典の入門書編としては良いと思います。
歴史好きにはおススメできます!
あらすじ(内容紹介)
古典だからと倦厭されがちな『枕草子』。実際は、清少納言のするどい観察眼が冴え渡る秀逸の女性エッセイ。女同士の本音と建前、恋人との駆け引き、彼女の好きなもの、嫌いなものなど現代女性が共感できる内容満載。 (アマゾンより引用)
三大随筆の一つ、しかし内容は・・・
「春はあけぼの~」の件が有名な枕草子。言わずとしれた三大随筆の一つです。
ざっとネットで検索をしてみると・・・
作者の「物事に対する鋭い観察力」と「洗練されたセンス」の融合で独特の美の世界を作りあげている・・・
的な紹介が多いですね。
これだけ見るとすごく高尚なイメージを持ちますが、本書を読むと印象が変わります。
特に女性の方は共感するか嫌悪感を抱くかどちらかでしょう。
もともと随筆というのは・・・
随筆(ずいひつ)とは、文学における一形式で、筆者の体験や読書などから得た知識をもとに、それに対する感想・思索・思想をまとめた散文である。 (ウキペディアより)
・・・うんなんか現代でいうブログに共通するものがありますね。
清酒納言は現代に生きていれば優れたブロガーになっていたかもしれません。
清少納言という人物
本書によると美意識が高い・思ったことは口に出す・毒舌・人があまり手とりあげないものをわざと選ぶ・勝気で陽気・・・
それでいて頭が良く、機転が利くので男性陣には人気があった模様。
デキル女ですね。
ただ敵も多そう(^^;)
清少納言の人生
当時、有名歌人だった清原元輔の娘として生まれ、子供の頃から和歌や漢文に親しみ、機転の利く、明るい子だったそうです。
15歳で結構しましたが10年後に離婚。無骨な旦那にとソリが合わなかったそうです。
その後、当時の関白である藤原道隆に「定子の教育係になってほしい」と依頼がきます。定子とは藤原道隆の娘で当時の天皇である一条天皇の妃です。定子の教育係として宮廷生活がスタート。持ち前の才能で瞬く間に定子後宮※1の看板女房になります。
しかし定子後宮は当時の政治争いに負け、どんどん衰退していき、定子は24歳で亡くなってしまいます。
清少納言が定子後宮で勤めたのは7年。
そのうち華やかだった時期は1年足らずといいます。
しかし「枕草子」では暗い話題は一つも出てきません。清少納言はどうような想いでしたためたのでしょうか・・・
定子が亡くなった後は後宮を去り、その後のことはわかっていないそうです。
※1 後宮とは皇帝や王、日本なら天皇の妃が住む場所。原則、男子禁制とされ、中国では後宮に勤める役人は去勢され、日本では女性たちが秩序を維持した。ちなみに清少納言が生存した平安時代の後宮は男性が出入りしていた描写が残されている。
紫式部との関係
清少納言のライバルといえば源氏物語で有名な紫式部。
紫式部は清少納言のライバル関係の後宮に勤めているんですが時期はかぶっておりません。清少納言の方が先なので清少納言は紫式部のことは知らないのでしょう、枕草子では紫式部のことは一切書かれておりません。
逆に紫式部日記には清少納言のことが書いてあります。しかも批判的に・・・
それが二人がライバルといわれる所以でしょうか。
まとめ
1000年以上も前に生きていた人の考えていることなんて興味深いですし、またそれが現代の人とあまり変わらないというのも親近感が沸きますね。
勿論、本書は清少納言の枕草子を題材にしたコミックエッセイなので内容としてはほんの一部でしょうし作者の主観も入っていることでしょう。
歴史には根拠や裏付けは重要とは思いますが結局は真実は誰もわからないもの・・・
それなら学校の授業でもこれ位、かみ砕いて(かみ砕きすぎか・・・)教えてくれたらもっと古典に興味をもつ子供たちも増えるのではと思う今日この頃です。
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