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ディズニー映画 メリー・ポピンズの魅力を7つあげてみる【曲・あらすじ・制作秘話など】

ディズニーのミュージカル映画で1964年に制作された『メリー・ポピンズ』

その年のアカデミー賞の5部門を受賞するなど歴史に残る名作です。

今回は『メリー・ポピンズ』について原作や制作秘話も踏まえ、掘り下げていきたいと思います。

目次

メリー・ポピンズとは

原作について(あらすじ)

東風の吹く日に,こうもり傘につかまって,空からバンクス家にやってきた,ちょっと風変わりな保母の物語.彼女が語るお話は,子どもたちをふしぎな冒険の世界へと導きます.ユーモアと笑いのかげに人生の深みをのぞかせているこの作品は,『ピーター・パン』や『クマのプーさん』とならぶ,空想物語の代表作です.

(Amazonより引用)※原作『風にのってきたメアリー・ポピンズ』

原作は1934年から1988年の間に児童文学シリーズとしてパメラ・L・トラヴァースより執筆されました。

ディズニーのミュージカル映画『メリー・ポピンズ』のタイトルの方が有名ですが原作のタイトルは『メアリー・ポピンズ』です(^^;)

映画は第1作目の『風にのってきたメアリー・ポピンス』をもとに制作されました。

映画について(あらすじ)

ロンドンに住むバンクス氏は、娘ジェーンと息子マイケルのために“厳しい乳母”を捜していました。ところが、“優しくて若くて美人で親切”な乳母を求める子供たちの願いが届き、ある朝、パラソルを開いた女性が東風に乗って現れます。その名はメリー・ポピンズ。彼女がやって来た途端、子供たちは大喜び。大道芸人のバートと美しい絵の国で遊んだり、空中に浮いたままお茶会を楽しんだり…。しかし、いつも気難しいバンクス氏は、メリー・ポピンズをよく思っていません。はたして、メリー・ポピンズは、バンクス氏の心を見事にほぐすことができるのでしょうか?

(Amazonより引用)※映画『メリー・ポピンズ』より

1964年にディズニー映画として制作されました。主演はジュリー・アンドリュースでその年の5部門でアカデミー賞を獲得しました。映画化に関しては原作者のトラヴァースが反対したこともあり、随分難航したようです(^^;)

※詳細は後述します

原作と映画の違いについて

原作ではバンクス家の子供がとジェインとマイケルの2人の姉弟以外に双子の姉妹がいて母親は双子の世話に追われていたなど、細かい設定に相違はあります。

一番の違いは主人公『メリー・ポピンズ』の印象でしょうか・・・。

映画ではジュリー・アンドリュースが演じており、多少は厳しい一面がありますが美人で明るく魅力的な印象です。一方、原作では映画と比べ、結構子供たちに対して躾が厳しい印象です。「厳格だけど子供たちの気持ちもわかる乳母」って感じでしょうか。しかし、子供たちに慕われているのは映画も原作も同じです。

またメリー・ポピンズの職業について保母やら乳母やら様々な呼び方をされていますが・・・。当時のイギリスの中流家庭では子供の面倒はナニー(乳母)と呼ばれる職業が担っていたことが多かったそうです。ベビーシッターとも家庭教師ともお手伝いさんとも微妙に違う職業だそうです(^^;)

メリー・ポピンズの魅力①

歌とダンスが良い

『チム・チム・チェリー』『お砂糖ひとさじで』『スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス』等、歌とダンスが素晴らしいです。ジュリー・アンドリュースとディック・ヴァン・ダイク、そして当時は斬新だったアニメとの合成で随所で魅せる歌とダンスはメルヘンチックな世界観を醸し出しています。

『チム・チム・チェリー』

『お砂糖ひとさじで』

『スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス』

メリー・ポピンズの魅力②

大人も楽しめる奥深いストーリー

原作は児童文学、映画はディズニーが作っているので当然、子供向けのストーリーではありますが・・・。原作者のパメラ・L・トラヴァースは本作に「父への想い」を込めていました。トラヴァースの父は銀行員でしたが酒に溺れ、仕事が上手くいかず最終的には体調を崩し亡くなってしまいます。ダメダメなお父さんですがトラヴァースには優しく、いつも空想の世界で二人で遊んでました。父の方はもしかしたら現実逃避をしていただけかも知れませんがトラヴァースはそんなお父さんが大好きでした。

本作のストーリーに戻るとメリー・ポピンズが乳母を担当する子供たちのお父さん、バンクス氏は若くして銀行の幹部を担ってます。会社優先の野心家として描かれてますが、とある事件がきっかけで会社をクビになってしまいます。クビをきっかけに子供たちに目が向くようになり、家庭を大切にするお父さんとなり、最後は復職も果たしハッピーエンドになるのですが、トラヴァースはこのバンクス氏に自分のお父さんを重ね合わせていたようですね。会社をクビになっても仕事から解き放たれることで、最後は幸せになることはトラヴァースの願いだったかも知れません。

このエピソードは『ウォルト・ディズニーの約束』という映画で知ることができます。

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メリー・ポピンズと子供たちが主役の本作ですが、このような裏設定があるとは興味深いですね。大人の方は「父の視点」で本作品を観るのも良いかと思います(^^)

メリー・ポピンズの魅力③

ジュリー・アンドリュースが良い

主演のジュリー・アンドリュースは実は本作品が映画、初主演になります。もともとは舞台女優として活躍していた人です。ディズニー側は本作において楽曲を重要視していたのでミュージカルでは既にスターだった「歌える女優」ジュリー・アンドリュースにどうしても引き受けて欲しかったようです。

ただジュリー・アンドリュースはこの頃、結婚し妊娠していたのですぐには承諾できない状況でした。また原作でのメリー・ポピンズは厳格な乳母という設定で自身のイメージに沿うか悩んだそうです。

結局はディズニー側の素晴らしいプレゼンにより、主演を引き受けることになり、見事に演じ切ります。ジュリー・アンドリュースは本作品でアカデミー賞主演女優賞を獲得し、華々しく映画女優としてのキャリアをスタートさせます。

そして1965年に公開された『サウンド・オブ・ミュージック』でも主演を務め、人気映画女優の座を不動のものとします。

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メリー・ポピンズの魅力④

マイ・フェア・レディとの関係が興味深い

本作『メリー・ポピンズ』と同年に人気ミュージカルの映画版として『マイ・フェア・レディ』が公開されました。

『マイ・フェア・レディ』はミュージカルではロングセラーの人気作品だったので映画版の期待も相当高かったようです。ミュージカル版の主演を務めていたのが何とジュリー・アンドリュースです。大方の予想では映画版でもジュリー・アンドリュースが主役を務めるのではという見方でしたが、主演に選ばれたのは当時の人気映画女優、 オードリー・ヘップバーンでした。

映画化するにあたり多額の金額を投資したので「必ず当たる女優」をということで実力はあったものの映画未経験のジュリー・アンドリュースより、『ローマの休日』等で既に映画で実績のあったオードリー・ヘップバーンを起用したのです。

『メリー・ポピンズ』『マイ・フェア・レディ』ともにヒットしてその年のアカデミー賞を分け合う形になりましたが、主演女優賞は『メリー・ポピンズ』のジュリー・アンドリュースが選ばれました。これにはジュリー・アンドリュースに同情票が入ったとかオードリー・ヘップバーンは実際に映画内で歌ってなく、吹き替えだったことが原因だったとか色々憶測が飛び交いましたが・・・。

実際はどうったのでしょうか(^^;)

こんな裏話も知っていれば面白いと思います。

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メリー・ポピンズの魅力⑤

制作秘話が面白い①【原作者との関係】

上述しました通り、原作者のパメラ・L・トラヴァースは本作『メリー・ポピンズ』に相当、思い入れがあり20年に亘ってディズニー側の映画化の希望を拒否してきました。

渋々、引き受けた後も映画制作に介入して事あるごとにケチをつけて大変だったようです(^^;)

映画制作の苦労話や最後にはどのようにウォルト・ディズニーがトラヴァースを説得して完成までこぎつけたかを描いた映画が『ウォルト・ディズニーとの約束』です。

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もう一つメリー・ポピンズの映画の音楽を担当したシャーマン兄弟のドキュメンタリー映画『ディズニー映画の名曲を作った兄弟』でもトラヴァースのことが少し触れられています。

『ウォルト・ディズニーの約束』では原作者との関係をドラマティックに描いていますが、『ディズニー映画の名曲を作った兄弟』ではシャーマン兄弟は単に「機嫌を取らなければいけなかった」と話し、トラヴァースも映画試写会の後「出来に不満だ」と話しています。

ドラマ仕立てにした映画と事実を淡々と描いたドキュメンタリー映画との違いでしょうね(^^;)

メリー・ポピンズの魅力⑥

制作秘話が面白い②【シャーマン兄弟について】

シャーマン兄弟はディズニー映画の音楽を多数、手がけてきました。『メリー・ポピンズ』はその代表作でもあります。

兄のロバートの方は思慮深く神経質、弟のリチャードの方は明るく感情的と、全く正反対の性格の二人です。仲があまり良くなく兄弟喧嘩が原動力で名曲を作ってきたと言われるほど(^^;)

『ディズニー映画の名曲を作った兄弟』は少しマニアックな作品ですが・・・。

昔のメリー・ポピンズ関連の当時の映像や本作品撮影当時のジュリー・アンドリュースのインタビュー等が収録されているので『メリー・ポピンズ』の理解度を深めるには良い作品です。

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メリー・ポピンズの魅力⑦

約50年ぶりの続編に期待できる

原作では映画化された『風にのってきたメアリー・ポピンズ』以外にもいくつかの続編があります。映画版は原作者のトラヴァースとの関係が影響しているかしていないかは定かではありませんが・・・。

映画公開から50年以上経った今でも続編は制作されませんでした。

しかし、2018年のクリスマスにメリー・ポピンズの続編が公開されるようです。

エミリー・ブラント主演「メリー・ポピンズ・リターンズ」、2018年クリスマス公開へ

『メリー・ポピンズ・リターンズ』というタイトルで前作より20年後の大恐慌時代のロンドンが舞台で子供だった弟のマイケルは成長し3人の子育て中に再び、メリー・ポピンズが現れるというストーリだそうです。

『ラ・ラ・ランド』や『美女と野獣』など最近は話題になるミュージカル映画が続けざまに公開されているので『メリー・ポピンズ・リターンズ』にも期待できそうですね(^^)

まとめ

本来は子供向けの映画なのですが・・・。

楽曲が素晴らしいし、ジュリー・アンドリュースはファンになってしまうほど素敵だし、ストーリーも奥深くライバルだった『マイ・フェア・レディ』との関係、原作者やシャーマン兄弟、ウォルト達の尽きない制作秘話など・・・。

魅力のいっぱいつまった『メリー・ポピンズ』は大好きな映画の一つです(^^)

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