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ハンク・モブレーのおすすめ名盤5選【端正な音色に溢れだすフレーズ】

ハンク・モブレーはどうも地味で目立たないイメージでB級と揶揄されることもありますが・・・。
チャーリー・パーカーやジョン・コルトレーンようにジャズに革命的な足跡を残していないだけで充分に実力のあるサックス奏者です。
端正な音色でメロディアスなフレーズを奏でる演奏は日本で人気が高く、ジャズの入門者向きのミュージシャンだと思います。
今回はハンク・モブレーをおすすめ名盤とともに紹介します。

目次

ハンク・モブレーについて

生誕:1930年7月7日
出身地: ジョージア州
担当楽器:テナーサックス

ハンク・モブレーの主な経歴

年号内容
1930年ジョージア州のイーストマンに生まれる。育ちはニュージャージー州ニューアーク近郊のエリザベス。
1951年1951~54年にかけてマックス・ローチやディジー・ガレスピーとの共演でキャリアを積む
1954年1956年までアート・ブレイキー&ザ・ジャズメッセンジャーズのメンバーとして活躍する
1955年1955年~70年までの間でブルーノートで20枚以上のアルバムを発表した。1961~62年の間はマイルス・デイビスのバンドに参加していた
1970年1970年代半ばに肺を患い、引退を余儀なくされる。1986年にデューク・ジョーダンと共演した後、肺炎により亡くなる

端正な音色とメロディアスなフレーズ

スマートな演奏で万人受けするミュージシャンだと思います。
ハンク・モブレーが何故かB級のミュージシャンのように呼ばれるのは2つ理由があると考えます。

一つは「テナーサックスのミドル級チャンピオン」と言われていたこと。
本来の意味は「ジョン・コルトレーンほど鋭くなく、スタン・ゲッツほど円やかでもない音色」のことを指した例えなのですが、どうも中途半端という印象を与えているようです(^^;)

もう一つはマイルス・デイビスのバンドに参加していた際にあまり評価が芳しくなかったことが考えられます。
ハンク・モブレーがマイルスのバンドに参加していた当時は1961~62年。マイルス・デイビスが1959年に『カインド・オブ・ブルー』にモードジャズを世に知らしめた直後です。
マイルス・デイビスは常に新しい音楽を追い求めていたので端正ではあるものの保守的なハンク・モブレーの演奏に不服だったと言います。
またハンク・モブレーの前任者はジョン・コルトレーン。この人も1960年代はジャズに革新をもたらすほどの勢いがありましたのでどうしても比べられてしまったのでしょう。

因みにハンク・モブレーとジョン・コルトレーンの比較としてよく取り上げられるのがマイルス・デイビスのリーダーアルバムに収録されている『いつか王子様が』の演奏。

YouTubeで『いつか王子様が』を聴く

この曲はハンク・モブレーがメンバーとしてジョン・コルトレーンがゲスト的な扱いで参加したのですがハンク・モブレーが歌うような端正なアドリブをする一方(3:11頃)、ジョン・コルトレーンは唸るような怒涛のアドリブを繰り広げます(5:56頃)。
・・・どっちが良いかは好みだと思います。しかし当時はマイルス・デイビスとジョン・コルトレーンといえばジャズシーンをけん引する立場だった人たちです。
マイルス・デイビスにとってはジョン・コルトレーンの方が共鳴するものがあったのだと思います。

ハンク・モブレーはブルーノートで20枚以上のアルバムをリリースしてます。
その中でも1960~61年に出した『ソウル・ステーション』『ロール・コール』『ワークアウト』が三部作と呼ばれ、全盛期と言われます。
おすすめ名盤はこの3+aでも良いくらいです(^^;)
ジャズの最初の1枚にはマイルス・デイビスやジョン・コルトレーン、ビル・エヴァンス等、ジャズ史に残るようなビッグネームを選びがちですが、端正でメロディアスな演奏が特徴のハンク・モブレーも良い選択肢だと思います。

ハンク・モブレーおすすめ名盤①

ソウル・ステーション

※Amazonプライム会員の方は無料で視聴できます。
ハンク・モブレーの代表作の一つです。
ウィントン・ケリー(ピアノ)、ポール・チェンバース(ベース)、アート・ブレイキー(ドラム)をリズムセクションを迎え、ハンク・モブレーのワンホーンで録音されました。
超一流のリズムセクションがハンク・モブレーの端正な演奏を引き出している名盤です。

『リメンバー』『ソウル・ステーション』『イフ・アイ・シュッド・ルーズ・ユー』とキャッチーで聴きやすい曲が多く、ジャズ入門としても最適の1枚です。

収録曲
  1. リメンバー
  2. ジス・アイ・ディグ・オブ・ユー
  3. ディグ・ディス
  4. スプリット・フィーリンズ
  5. ソウル・ステーション
  6. イフ・アイ・シュッド・ルーズ・ユー

YouTubeで『リメンバー』を聴く

ハンク・モブレーおすすめ名盤②

ディッピン

ハンク・モブレーはラテン音楽にも造詣が深くジャズにサンバテイストを加味した演奏も得意としました。
『Recado Bossa Nova』は軽快なラテンのリズムで聴かせるハンク・モブレーを代表する演奏の一つです。

本アルバム『ディッピン』はハンク・モブレーのリーダーアルバムですが・・・。
トランペットのリー・モーガンの存在感も抜群です。

サックスとトランペットの2管というのはよくある編成なのですが楽器の特性上、トランペットの方が高音域で目立つうえに華麗な演奏をするリー・モーガンと、どちらかというと優しい演奏をするハンク・モブレーですから尚更、リー・モーガンが引き立つのでしょうか(^^;)
私はこのアルバムでリー・モーガンのファンになった口です。

リー・モーガンおすすめ名盤5選【ジャズ史上、屈指の天才トランぺッター】

収録曲
  1. The Dip
  2. Recado Bossa Nova
  3. The Break Through
  4. The Vamp
  5. I See Your Face Before Me
  6. Ballin

ハンク・モブレーおすすめ名盤③

ワークアウト

1961年にリリースされたハンク・モブレーの三部作の一つに数えられるアルバム。
メンバー構成はハンク・モブレーのワンホーン+リズムセクションにギターのグラント・グリーンが加わります。
リズムセクションを担当するのはウィントン・ケリー(ピアノ)、ポール・チェンバース(ベース)までは『ソウル・ステーション』と一緒でドラムのみアート・ブレイキーからフィーリー・ジョー・ジョーンズに代わってます。

フィーリー・ジョー・ジョーンズはマイルス・デイビスやソニー・ロリンズのバンドでも活躍したハードバップを代表するドラマーですので本アルバム『ワークアウト』のリズムセクションも超一流と言えるでしょう。
特筆すべき曲が収録されている訳ではありませんが、ハンク・モブレーの絶頂期で極上のハードバップを堪能できる一作です。

収録曲
  1. ワークアウト
  2. アー・ハー
  3. スモーキン
  4. ザ・ベスト・シングス・イン・ライフ・アー・フリー
  5. グリーシン・イージー
  6. スリー・コインズ・イン・ア・ファウンテン (ボーナス・トラック)

ハンク・モブレーおすすめ名盤④

Monday Night At Birdland

ニューヨークの名門ジャズクラブのジャム・セッションを録音した一作。
『オール・ザ・シングス・ユー・アー』などのスタンダート曲や『バグス・グルーヴ』のようなジャムセッションの初心者が一番、最初にやるような定番のブルース等、セッションならではの曲目です。

ここでもハンク・モブレーとリー・モーガンは共演しているのですがこの二人は相性は良いですね。
端正でどこか優しさのあるハンク・モブレーの演奏と不良っぽく華やかなリー・モーガンの演奏のコントラストが良い感じです。

編成は、2テナー、トランペット、トロンボーンにリズムセクションの7人編成。4管編成の迫力のある演奏を臨場感溢れるライブ録音で堪能できる作品です。

収録曲
  1. ウォーキン
  2. オール・ザ・シングス・ユー・アー
  3. バグス・グルーヴ
  4. ゼア・ウィル・ネヴァー・ビー・アナザー・ユー

YouTubeで『オール・ザ・シングス・ユー・アー』を聴く

ハンク・モブレーおすすめ名盤⑤

No Room for Squares

1963年リリースされた作品。
本アルバム『No Room for Squares』に参加しているバンドメンバーですがハンク・モブレー他、リー・モーガン(トランペット)、フィーリー・ジョー・ジョーンズ(ドラム)、ハービー・ハンコック(ピアノ)、ドナルド・バード(トランペット)、ブッチ・ウォーレン(ベース)、アンドリュー・ヒル(ピアノ)ジョン・オレ(ベース)と超豪華。
ハンク・モブレーとフィーリー・ジョー・ジョーンズが全曲参加。後は曲ごとにメンバーを代えています。

1963年といえばリー・モーガンの『The Sidewinder』が大ヒットした年。本アルバム『No Room for Squares』は『The Sidewinder』のほんの数か月前に録音された作品です。
長らく麻薬で苦しんでいたリー・モーガンの新たなステップの助走の位置づけともいる作品かもしれません。

収録曲
  1. Three Way Split
  2. Carolyn
  3. Up A Step
  4. No Room For Squares
  5. Me ‘N You
  6. Old World, New Imports
  7. Carolyn (Alternate Take)
  8. No Room For Squares (Alternate Take)

Amazon『Prime Music』で聴けるハンク・モブレー

  • ブルー・ボッサ
  • Soul Station (Remastered)
  • The Classic Blue Note Collection: 1955 – 1961
  • The Classic Blue Note Collection: 1955 – 1961

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今回、ご紹介したアルバムは1つ含まれてます。
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まとめ

ハンク・モブレーとえばやはりブルーノートでの作品だと思います。

今回はご紹介できなった『ロール・コール』をはじめ、他にも良いアルバムがあります。またザ・ジャズメッセンジャーズやマイルス・デイビスバンドのサイドメンバーとしても名演奏を残しています。

ハンク・モブレーが気に入っていただければ是非、お気に入りの1枚を探してみてください(^^)

以上、ハンク・モブレーのおすすめ名盤5選【端正な音色に溢れだすフレーズ】でした。

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