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アート・ブレイキー(ザ・ジャズ・メッセンジャーズ)おすすめ名盤5選【多くのスターミュージシャンを育てたバンドリーダー】

今回はジャズドラマーのアート・ブレイキーをご紹介したいと思います。
アート・ブレイキーといえばザ・ジャズメッセンジャーズというバンドのリーダーとして長年にわたってファンキーなハードバップを世に送りだしました。
このザ・ジャズメッセンジャーズというバンドはアート・ブレイキー以外はバンドメンバーが代わっていくのが特徴で、その時の若手の有望株を抜擢し、育成してきた側面もあります。

歴代のザ・ジャズメッセンジャーズのメンバーを見るとそうそうたるメンバーです・・・。

アート・ブレイキーのキャリアの大半を占めるザ・ジャズメッセンジャーズとおすすめ名盤についても触れていきます。

目次

アート・ブレイキーについて

君はドラムでも叩いてなさい

アート・ブレイキーは中学を卒業し、友人達とバンドを組んだ時は何とピアノを担当してました。
その後も暫くはずっとピアノを弾いていたようですが、アート・ブレイキーはきちんとピアノを習ったことがなく、大して上手くなかったそうです(^^;)

それでも見よう見まねでピアノを弾くなんて、それはそれで凄いです・・・。

アート・ブレイキーのバンドが少しばかり人気が出てきた頃、クラブのオーナーが代わり、全員にオーデションを受けたさせたそうです。
楽譜の読めないアート・ブレイキーは皆に合わせ、適当に演奏したそうですが、ここでレベルがばれてしまいます(^^;)

オーナーは同席していた若いピアニストに演奏をさせました。
後に名曲『ミスティ』を発表するエロール・ガーナです。

アート・ブレイキーはレベルの差に愕然としますが、ここでクビになると生活に困ります。
泣きついて懇願するアート・ブレイキーにオーナーはこう言いました。

「君はドラムでもたたいてなさい」

これがアート・ブレイキーのドラマーとしてのキャリアの始まりです。

生涯貫いたハードバップ

ハード・バップとは1950年代に主流だった演奏スタイルでビ・バップを発展させたようなもの。
ビ・バップやハード・バップという演奏スタイルが気になる方は是非こちらの記事をご参照ください。

モダンジャズとは【モダンジャズのおすすめ名盤10選】

アート・ブレイキーはこのハード・バップの誕生に大きく関わっています。

ハード・バップのはじまりは1951年、マイルス・デイビスが自身のリーダーアルバム『ディグ』の録音でドラムのアート・ブレイキーとピアノのウォルター・ビショップ・ジュニアにとあるバッキングを提案しました。
ピアノのアクセントとハイハットのアクセントを合わせるということです。

その結果、今までのジャズのリズムから各段に躍動感が増しました。

アート・ブレイキーはその演奏スタイルをさらに発展させ、1954年には「ハード・バップ誕生前夜」といわれる『バードランドの夜』を収録します。

この後、ジャズはモードジャズ、フリージャズ、フュージョン等、演奏スタイルが多様化していきますが、アート・ブレイキーは生涯、ハード・バップを貫き通します。

ザ・ジャズメッセンジャーズとしての活動

ザ・ジャズメッセンジャーズはずっとアート・ブレイキーがリーダーをしていた感じがしますが・・・。
ホレス・シルヴァーとアート・ブレイキーの両名が結成したバンドで、結成当初は「ホレス・シルヴァーとジャズメッセンジャーズ」でした(^^;)

ホレス・シルヴァーはピアニストでジャズにゴスペル音楽を取り入れた人。
彼の持ち味であるソウルフルな演奏は当時のアート・ブレイキーと相性が良かったのでしょう。

しかし、ホレス・シルヴァーは暫くして脱退します・・・。
音楽的に衝突した訳でなく宗教的な問題だとか。ホレス・シルヴァーが脱退後も両名は幾度か共演していますので大喧嘩した訳ではなさそうです。

ホレス・シルヴァー脱退後は「アート・ブレイキーとザ・ジャズメッセンジャーズ」と改名し35年間、ハード・バップを貫きます。
このバンドは定期的にメンバーが代わるのですが、歴代メンバーの顔ぶれが超豪華です。

ベニー・ゴルソン、クリフォード・ブラウン、リー・モーガン、ハンク・モブレー、ウエィン・ショーター、フレディ・ハバード、キース・ジャレット、ウィントン・マルサリス・・・。
ざっと挙げてもこれだけのビッグネームです。
ザ・ジャズメッセンジャーズを脱退したメンバーは軒並み、その後も第一線で活躍していたので「アート・ブレイキースクール」とも呼ばれていました。

アート・ブレイキー(ザ・ジャズメッセンジャーズ)おすすめ名盤

おすすめ名盤① モーニン


アート・ブレイキー(ザ・ジャズメッセンジャーズ)の代名詞というべきアルバム。
ジャズの名盤の中でも大変人気が高く、「ジャズの最初の1枚」としてもよく紹介されます。

日本でも人気が高く、リリース当時は蕎麦屋さんが出前の際に『モーニン』の口ずさんだとか・・・。
因みに正式な目撃情報はないようです(^^;)

この『モーニン』ファンキーなイントロを聴いた瞬間、ビビッときた方はきっとジャズが好きになってくれると思います(^^)

おすすめ名盤② バードランドの夜 Vol.1

https://youtu.be/oZGHf2P3saE
ハード・バップの誕生のドキュメントと評されるライブアルバム。
このアルバムはクリフォード・ブラウンのトランペットが有名です。
クリフォード・ブラウンはハード・バップの時代、天才トランぺッターの名を欲しいままにしていたのですが不幸な交通事故で25歳で亡くなってます・・・。
ですのでクリフォード・ブラウンの演奏を聴けるアルバムは数少ないので本アルバムは貴重な一枚です。

勿論、他のミュージシャンも負けていません。
ルー・ドナルドソン(アルト・サックス)も流麗な演奏を披露し、後に別れてしまうホレス・シルヴァー(ピアノ)とも共演してます。

Vol.1を気に入っていただけたらVol.2もどうぞ。

おすすめ名盤③ Night in Tunisia


アルバムタイトルにもなっている『Night in Tunisia』、邦題は『チェニジアの夜』。
ビ・バップの創始者の一人、トランぺッターのディジー・ガレスピーが作曲しました。

故にトランぺッターの演奏が映える曲ではあるのですが、本アルバムでは天才トランぺッター、リー・モーガンが担当してます。
先に紹介しました『バードランドの夜 Vol.1』にも同曲が収録されてますので是非、クリフォード・ブラウンの演奏と聴き比べてみてください(^^)
両名ともジャズ史上、きっての天才です。

『バードランドの夜 Vol.1』は2管のもう一方はアルトサックスでしたが、本アルバム『Night in Tunisia』はテナーサックスです。
後にジョン・コルトレーンの後釜としてマイルス・デイビスバンドに加入し、一流ミュージシャンに成長する若き日のウェイン・ショーターが担当します。
若いながらも冷静で完成された演奏をする印象です。

そしてアート・ブレイキーの「ナイアガラ瀑布」といわれるドラミングも迫力満点です!

おすすめ名盤④ モザイク


トランペット、テナーサックス、トロンボーンの3管で収録されたアルバム。
テナーサックスはウェイン・ショーター、トロンボーンはカーティス・フラー、トランペットはフレディ・ハバードが担当しています。

フレディ・ハバードはこの頃はまだ若手ですが、演奏テクニックにおいては超一流と評されるだけあり、洗練された演奏です。
カーティス・フラーはジョン・コルトレーンの『ブルートレイン』にも3管のうちの一人として参加しました。
トロンボーンはサックスやトランペットに比べ、演奏者人口も少ないと思いますので貴重な人材です。
また風の噂ではトロンボーンの演奏はめちゃくちゃ難しいらしいですね(^^;)

3管で繰り広げる上質のハード・バップを堪能できる1枚です。

おすすめ名盤⑤ アルバム・オブ・ジ・イヤー


1978年に収録されたアルバム。
この頃はすでにハード・バップは過去のものとなってましたが・・・。

ウィントン・マルサリスの加入により、人気復活!
1970年代はフュージョンが席巻していましたが、次第に古き良きアコースティックなジャズが見直された時期でもありました。

このアルバムで注目すべきはやはりトランぺッターのウィントン・マルサリスか・・・。
クリフォード・ブラウンといい、リー・モーガンといいザ・ジャズメッセンジャーズは歴代、本当に良いトランぺッターがそろいますね~。

Amazon『Prime Music』で聴けるアート・ブレイキー(ザ・ジャズメッセンジャーズ)

  • モーニン
  • アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ
  • Indestructible (Rudy Van Gelder Edition)
  • Art Blakey & The Jazz Messengers

Amazonのプライム会員だと上記、4つのアルバムが無料で聴けます。

今回、ご紹介したアルバムは1枚しかありませんが・・・
『モーニン』が無料で聴けるので良いと思います。ジャズの最初の1枚としてもおすすめです。

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まとめ

クビになりそうなところを何とかドラムを叩くことで窮地を凌いだところから、ジャズ史上きっての名ドラマーと言われるまで成長したアート・ブレイキー。
まさにサクセスストーリーですね。
破滅型天才のエピソードには事欠かないジャズミュージシャンですが、このケースは結構珍しいかもしれません。

また数々の若手を育成したことからジャズ界においての影響力は計りしません。

ザ・ジャズメッセンジャーズはどの時代のアルバムを聴いてもビッグネーム(若き日の)が名を連ねてるので聴き応え十分です!

以上、「アート・ブレイキー(ザ・ジャズ・メッセンジャーズ)おすすめ5選【多くのスターミュージシャンを育てたバンドリーダー】」でした。

 

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