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十二国記【白銀の墟 玄の月】小説版の読書感想・あらすじ

十二国記シリーズ『白銀の墟 玄の月』の読書感想・あらすじをご紹介します!

【白銀の墟 玄の月】は2019年に発売された十二国記の最新刊。
短編集『丕緒の鳥 (ひしょのとり)』から6年ぶり、長編としては『黄昏の岸 暁の天』以来、なんと18年ぶりになります。

戴国の麒麟が救出された『黄昏の岸 暁の天』からの続きの物語で文庫本で4冊分の十二国記シリーズ始まって以来、最大ボリュームの超大作です!

目次

あらすじ(内容紹介)

戴国(たいこく)に麒麟が還る。王は何処へ──。
乍(さく)驍宗(ぎょうそう)が登極から半年で消息を絶ち、泰麒(たいき)も姿を消した。王不在から六年の歳月、人々は極寒と貧しさを凌ぎ生きた。案じる将軍李斎(りさい)が慶国(けいこく)景王(けいおう)、雁国(えんこく)延王(えんおう)の助力を得て、泰麒を連れ戻すことが叶う。今、故国(くに)に戻った麒麟は無垢に願う、「王は、御無事」と。──白雉(はくち)は落ちていない。一縷の望みを携え、無窮の旅が始まる!

王だからこそ戴国(ここ)を守りたい。
民が幸福に暮らす国となるように。
民には、早く希望を見せてやりたい。
国の安寧を誰よりも願った驍宗(ぎょうそう)の行方を追う泰麒(たいき)は、つい に白圭宮(はっけいきゅう)へと至る。それは王の座を奪い取った阿選(あせん)に 会うためだった。しかし権力を恣(ほしいまま)にしたはずの仮王には政(まつりご と)を治める気配がない。一方、李斎(りさい)は、驍宗が襲われたはずの山を目指 すも、かつて玉泉として栄えた地は荒廃していた。人々が凍てつく前に、王を捜し、 国を救わなければ。──だが。

驍宗様が身罷られたなど信じない。
新王が立つなら、それは麒麟の過ちか。
──角なき麒麟の決断は。 李斎(りさい)は、荒民(こうみん)らが怪我人を匿った里(まち)に辿り着く。だが、髪は白く眼は紅い男の命は、既に絶えていた。驍宗(ぎょうそう)の臣であることを誇りとして、自らを支えた矜持は潰えたのか。そして、李斎の許を離れた泰麒(たいき)は、妖魔によって病んだ傀儡(くぐつ)が徘徊する王宮で、王を追い遣った真意を阿選(あせん)に迫る。もはや慈悲深き生き物とは言い難い「麒麟」の深謀遠慮とは、如何に。


好敵手は、どちらかが「影」になる。
一国に、王は一人しか要らない。
そして、新たな歴史が始まる── 「助けてやれず、済まない……」男は、幼い麒麟に思いを馳せながら黒い獣を捕らえた。地の底で手にした沙包(おてだま)の鈴が助けになるとは。天の加護がその命を繋いだ歳月、泰麒(たいき)は数奇な運命を生き、李斎(りさい)もまた、汚名を着せられ追われた。それでも驍宗(ぎょうそう)の無事を信じたのは、民に安寧が訪れるよう、あの豺虎(けだもの)を玉座から追い落とすため。──戴国の命運は、終焉か開幕か!

Amazonより引用
カズロー

前作までの物語の流れをざっとご説明します

十二国記シリーズ1作目『月の影 影の海』の下巻でも雁国の麒麟、六太が「戴国の王と麒麟は死んだ、もしくは行方不明」というようなことを行ってました。

十二国記【月の影 影の海 上・下巻】小説版の読書感想・あらすじ

十二国記シリーズ『風の海迷宮の岸』ではそこから時を遡っており、泰麒が驍宗(ぎょうそう)を王に選ぶまでの物語です。

十二国記【風の海迷宮の岸】小説版の読書感想・あらすじ

そして十二国記シリーズ『黄昏の岸 暁の天』では驍宗が王になってからの物語。
驍宗が新王になり、戴国も安泰かと思いきや、突然ピンチに陥ります。

何と王の驍宗と泰麒が突然行方不明に…。
驍宗の部下、李斎が慶国を中心とした他国の力を借り、泰麒を探し出すまでが描かれておりました。

十二国記【黄昏の岸 暁の天】小説版の読書感想・あらすじ

カズロー

ここから本編…!

そして本作『白銀の墟 玄の月』では泰麒、李斎を中心に、まだ生きているはずの驍宗を捜索し、謀反を起こした張本人、阿選から王座を取り戻そうとする物語ですが…。

十二国記シリーズの中でも戴国が絡む物語はメインストーリーといっても過言ではないです。
シリーズ第1作目で雁国の麒麟、六太が「戴国の王と麒麟は死んだ、もしくは行方不明」と言ったことの謎がやっと本作『白銀の墟 玄の月』で真相がわかるという形になります。

ここまで20年以上もかかった訳ですから本当に超大作ですね…。

蓬莱で育った泰麒と景王の陽子は十二国記シリーズを通しての主役的立場と言えますが特に泰麒はエピソードが非常に多いキャラクターです。
そんな泰麒の最も成長した姿が描かれるが本作『白銀の墟 玄の月』です。

麒麟は本来、慈悲深くて繊細な生き物ですが、幾多の修羅場を経験してきた泰麒は以外な!?活躍を見せてくれます。

『白銀の墟 玄の月』の物語が始まった時点では王の驍宗が生きていることはわかってますが、何処で何をしているのか、何故、長い年月、姿をくらましているのか謎のままです。

そして驍宗から王座を略奪した阿選は国を治める気がない様子。
謀反を起こしてまで王になったのに何故、政に無気力なのか…。

そして戴国の将来は…。

これは十二国シリーズ全体に言えることですが本作『白銀の墟 玄の月』も辛く悲しいエピソードが多いです…。
絶望を感じる中、起死回生を信じて少しずつ読み進めるといった形になるかと思います。

それでも『風の海迷宮の岸』『黄昏の岸 暁の天』と続いた戴国の物語の完結編といえる本作『白銀の墟 玄の月』は十二国記ファンなら読まない訳にはいきませんよね~。

十二国記シリーズを始めて読む方で本作『白銀の墟 玄の月』が気になる方は少なくとも『風の海迷宮の岸』『黄昏の岸 暁の天』を読んでからの方が良いと思います!

※ここから先はネタバレを含みます。

ネタバレ読書感想・あらすじ

カズロー

物語の世界観は暗く、絶望的…。

本作『白銀の墟 玄の月』の舞台の戴国は非常に厳しい状況。
厳しい気候と前王は民に重い税を課すような人だったので戴国の民はもともと困窮していましたが、驍宗が新王となり、国を立て直しに入りました。
そんな最中、阿選の謀反がありました。

阿選は謀反の罪を李斎に押し付けて仮王として王朝に君臨しますが…。
自身を疑う者・集団には容赦なく粛清を行い、政はろくに行われず戴国は荒れに荒れてます。

物語のほとんどのシーンで戴国の民がどれほど酷く、理不尽な仕打ちを受けているかという描写があり、暗~い気持ちになります(^^;)

そんなストーリーの中、物語を読み進めたくなる三つのポイントを紹介したいと思います。

阿選は何故、王座を略奪したのか?

阿選は前王朝の時代から驍宗と双璧を成す、有能な将軍でした。

謀反の戦略も周到で阿選の臣下が全く気づかないほど。

また有能だけでなく、人望も厚いようで勿論、王座を掠奪したことは良くないですが、臣下の中には王座を掠奪したことを薄々感じていたとしても「阿選こそが王に相応しい」と考える者がいるので、しっかり政を行えば王朝を少しは立て直すことも可能だったかも知れません。

しかしながら王座に就いた阿選は反抗する者には容赦ない仕打ちをするものの、政には無気力そのもの。

無能な臣下に政を任せて自身は王宮の奥に引っ込んでしまいます。

悪政をするのではなく「何もしない」という感じです。

おかげで戴国はますます困窮していきます。

阿選は何故、王座を掠奪してまで王にこだわったのでしょうか?

阿選は身近な臣下に気付かれないように謀反を実施しましたが、阿選が謀反を起こそうとしたきっかけは何だったのでしょう?

阿選の謀反の真意も読み進めていくことで少しずつ解明されて行きます。

驍宗と泰麒に対し謀反を起こし、戴国を混沌の闇に陥れた阿選はまさしく「悪そのもの」ですが簡単にそう言えないのも十二国記シリーズの面白いところ。

物語を読み進めて是非、阿選の「なぜ阿選は王座を略奪したか」を読み解いてください。

驍宗は何処?

十二国記の世界では王が死ぬと白雉が落ちます。

白雉が落ちていないということは、何処で驍宗が生きている証拠です。

しかし6年間も姿をくらますなんて尋常ではないですね。

本作『白銀の墟 玄の月』では李斎を中心に驍宗をちょっとした手がかりをもとに探し回ります。

驍宗が襲われた場所はある程度は想定できており、後はそこからどうやって逃げ出したか、そして何処に行ったのか…。
十二国記シリーズ『黄昏の岸 暁の天』では泰麒が行方不明になる経緯は描かれてましたが、驍宗の行方不明になった経緯は未だに謎です。

驍宗の行方不明の真相と何処で発見されるのかは『白銀の墟 玄の月』の大きな鍵になるのはいうまでもありませんね。

中々、直ぐには解明されませんが、根気よく読み進めてください。

驍宗が発見されれば王座奪還が見えてきます!

修羅場を経験し、化け物になった泰麒

「あの麒麟は化け物だ」
本作『白銀の墟 玄の月』ではこのような台詞が飛び出しました。

麒麟は十二国記シリーズの世界において慈悲深い生き物で正義の象徴でもあります。
故に争いごとや血を好まず繊細な一面を持ち合わせます。

現実的に政に向き合い、時には争いごとも辞さない王に比べて麒麟は平和という理想を掲げ、浮世離れしている印象がありました。

しかし、泰麒は波乱万丈の人生を歩んできました。
事実上、麒麟として扱われた期間は短く、ほとんどが蓬莱で麒麟とは全く関係ない時を過ごしました。
蓬莱でも結構、つらい経験をされたそうです。

この辺りのエピソードは『魔性の子』を読めば理解が深まると思います。

故に平和という目的を達成するには敵を欺いたり、傷つけたりすることを辞さない、ある意味、冷徹で強い側面を持ち合わせる麒麟となりました。

こんな逞しく?成長した泰麒が阿選の城に乗り込み、堂々と「阿選が新王」と述べて城に居座り、重要な役割を果たしていきます。
そして最後は…。

十二国記シリーズは各巻により主人公が変わりますが、その中でも泰麒を取り上げたエピソードは多く、シリーズ全体の主役と言っても良い泰麒の活躍は本作『白銀の墟 玄の月』の最大のみどころかも知れません。

まとめ

シリーズ最大の長編となった本作『白銀の墟 玄の月』。
戴国のエピソードもひとまず、ひと段落ってところです。

次回の十二国記シリーズは短編集のようです。
新しい展開というより、サイドストーリー的なエピソードだと予想します。

次の長編が発刊されるのは何時になるでしょうか…。
気長に待つとします(^^;)

以上「十二国記【白銀の墟 玄の月】小説版の読書感想・あらすじ」でした。

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